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ガタロ、メドチ、エンコウ — 全国でちがう「河童」の呼び名

「河童」という名前は全国で通じますが、昔の人がみんなそう呼んでいたわけではありません。川のそばに暮らす人々は、土地ごとにちがう名前で、この水の妖怪を呼んできました。名前をたどると、河童がどれだけ日本中の水辺に寄り添ってきたかが見えてきます。
地方によって、こんなに名前がちがう
河童の呼び名は、ひとつの図鑑には収まりきらないほどたくさんあるといわれています。よく知られたものをいくつか挙げてみます。
- カワタロウ(川太郎):「川の男の子」という意味。西日本を中心に広く使われてきました
- ガタロ:カワタロウがなまったものとされ、近畿地方で聞かれる呼び名です
- メドチ:青森など東北の北のほうで伝わる呼び名
- エンコウ(猿猴):中国・四国地方の呼び名。猿のような姿で語られることもあります
- ヒョウスベ:九州で語られる、河童の仲間
同じ「水辺のいたずら者」でも、姿や性格の言い伝えは土地ごとに少しずつちがいます。名前がたくさんあるのは、それだけ多くの村で、それぞれの河童が語られてきた証拠なのかもしれません。
キュウリと水神さま
河童といえばキュウリ。キュウリを巻いたお寿司を「かっぱ巻き」と呼ぶほど、この組み合わせはおなじみです。
なぜキュウリなのか。ひとつの説として、もともと水の神さまにキュウリなどの初物をお供えしていた風習と、河童が結びついたのではないかといわれています。民俗学では、河童は水の神さまが姿を変えて語られるようになった存在だ、という見方もあります。こわい妖怪でありながら、どこか水への感謝や祈りとつながっているのです。
遠野のカッパ淵
岩手県の遠野は、柳田國男の『遠野物語』で知られる土地です。この本にも、河童にまつわる話がいくつも書きとめられています。
遠野には「カッパ淵」と呼ばれる小さな淵があり、河童が棲んでいたと伝わる場所として知られています。ピクセル妖怪の妖怪マップでも、河童は岩手のところに顔を出しています。
図鑑で、河童の言い伝えを
河童の頭のお皿のこと、出会ったときにお辞儀をするとよいという話、恩返しに傷薬を教えた話。くわしい言い伝えは図鑑の河童のページにまとめています。
呼び名はちがっても、川があるところには河童の話がある。次に川辺を歩くときは、その土地ではなんと呼ばれていたのか、ちょっと想像してみてください。