No.060
磯女
ISOONNA

◆ でんしょう
九州など西日本の海辺に伝わる、女の妖怪です。人けのない磯辺の岩の上に、足もとにとどくほど長い黒髪をたらした女がひとり立っていて、遠くから見ると、美しい女の人に見えるといわれています。
見とれて近づいていくと、女はその長い髪をのばして人にからみつかせ、髪の先から血を吸ってしまう――そんな話が残っています。浜の近くに船をとめて夜を過ごす船乗りのところへあらわれる、という話もあり、海辺で働く人たちのあいだで、夜の磯には気をつけるように、と語りつがれてきました。海辺には、よく似た姿の女の妖怪として「濡れ女」の話も伝わっていますが、磯女は人の姿のまま、磯に立つ女として語られます。