No.052
橋姫
HASHIHIME


『今昔画図続百鬼』より「橋姫」
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◆ でんしょう
橋姫は、橋を守る女の神さまです。昔の人にとって橋は、こちら側とむこう側をつなぐ「境目」でした。外から悪いものが入ってこないよう、橋のたもとに女神をまつったのだといわれています。なかでも名高いのが、京都の宇治川にかかる宇治橋の橋姫。和歌にもたびたび詠まれ、恋しい人をひとり待ちつづける女の姿と重ねられてきました。いっぽうで、とても嫉妬深い神さまだという言い伝えも残っています。
『平家物語』の「剣巻」には、もうひとつの橋姫の話があります。ねたみに苦しんだある女が、貴船の神に「生きたまま鬼にしてほしい」と祈り、お告げのとおりおそろしい姿に身を変えて宇治川の流れに浸かりつづけ、ついに鬼になった――この鬼こそが「宇治の橋姫」だというのです。橋を守る女神の顔と、嫉妬の鬼女の顔。ふたつの姿をあわせもつのが、橋姫という存在です。