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No.045

二口女

FUTAKUCHI-ONNA

二口女
ドット絵ピクセル妖怪 描きおろし
『絵本百物語』より「二口女」
参考:昔の絵竹原春泉(1841)
『絵本百物語』より「二口女」
パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
よみ
FUTAKUCHI-ONNA
ぶんるい
女の怪
でるところ
人の家

◆ でんしょう

前から見ると、ごくふつうの女の人。ところが後ろ頭の髪をかき分けると、そこにもうひとつ大きな口がある――それが二口女です。後ろの口はいつもおなかをすかせていて、髪の毛がまるで手のように動き、食べ物をつかんでその口へ運ぶ、といわれています。前の口では少ししか食べないのに、食べ物がいつのまにか減っていく。そんなところが、この妖怪のふしぎでこわいところです。

江戸時代の天保12年(1841年)に出た、竹原春泉の絵による『絵本百物語』にその姿が描かれています。添えられた話では、夫の先妻の子(継子)にじゅうぶんな食べ物をあげなかった女がいて、その子が亡くなったあと、女の後ろ頭にできた傷がやがて口のようになり、食べ物をほしがるようになった、と語られています。人の行いのむくいを、ふしぎな形で伝える話です。

◆ この妖怪のよみもの

二口女と昔話「食わず女房」— ごはんを食べない嫁さんの、もうひとつの口後ろ頭に口をもつ二口女。その話をたどると、昔話「食わず女房」に行き当たります。ごはんを食べない嫁さんが髪の下に隠していた口、菖蒲とよもぎで逃げきる結末、そして二つの話に共通する「食べること」のこわさを、ゆるりとくらべます。