No.045
二口女
FUTAKUCHI-ONNA


『絵本百物語』より「二口女」
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◆ でんしょう
前から見ると、ごくふつうの女の人。ところが後ろ頭の髪をかき分けると、そこにもうひとつ大きな口がある――それが二口女です。後ろの口はいつもおなかをすかせていて、髪の毛がまるで手のように動き、食べ物をつかんでその口へ運ぶ、といわれています。前の口では少ししか食べないのに、食べ物がいつのまにか減っていく。そんなところが、この妖怪のふしぎでこわいところです。
江戸時代の天保12年(1841年)に出た、竹原春泉の絵による『絵本百物語』にその姿が描かれています。添えられた話では、夫の先妻の子(継子)にじゅうぶんな食べ物をあげなかった女がいて、その子が亡くなったあと、女の後ろ頭にできた傷がやがて口のようになり、食べ物をほしがるようになった、と語られています。人の行いのむくいを、ふしぎな形で伝える話です。