No.018
一反木綿
ITTANMOMEN

◆ でんしょう
鹿児島県の大隅地方、いまの肝付町のあたりに伝わる妖怪です。夕暮れどき、一反ほどもある白い木綿の布が、空をひらひらと舞いながら飛んでくるといわれています。見た目はただの布ですが、油断して近づくと、すうっと人の首に巻きついたり、顔をふさいだりするのだとか。
土地の子どもたちは、日が暮れても外で遊んでいると一反木綿が出るよ、と言い聞かされてきたという話が残っています。言い伝えのなかの一反木綿には、顔も手もありません。風にゆれる白い布が、そのまま迫ってくる――そのとらえどころのなさこそが、この妖怪のこわさなのかもしれません。