No.062
鬼火
ONIBI


『和漢三才図会』より「鬼火」
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◆ でんしょう
夜の野原や墓地、湿った土地にふわりと浮かぶ青白い火。ひとつだけのこともあれば、いくつも連なって現れることもあるといわれます。音もなくただよい、近づくとすっと消え、離れるとまた灯る――そんなつかまえどころのなさが、各地で語られてきました。雨のしとしと降る夜に出やすい、という言い伝えもあります。
その正体は、亡くなった人や動物の魂が火になったものだと考えられてきました。昔の人は、墓のそばに灯る青い火を見て、そこに眠る人のことを思ったのかもしれません。鬼火はひとつの妖怪というより、土地ごとにさまざまな名前で呼ばれる「あやしい火」をまとめた呼び名のような存在で、狐火や人魂もその仲間に数えられることがあります。