No.059
濡れ女
NUREONNA


『百怪図巻』より「ぬれ女」
パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
◆ でんしょう
上は長い黒髪の女、その下は水の中へと長く続く蛇の体――そんな姿で語られる水辺の妖怪です。海辺や川辺に現れ、髪はいつもしっとりと濡れているといわれます。江戸時代の絵師・鳥山石燕も濡れ女を描いていて、その絵でも、水辺から姿をのぞかせた女の体は、長い蛇の胴へとつながっています。
島根県の石見地方などには、濡れ女が牛鬼と組んで現れるという話が残っています。海辺で赤ん坊を抱いた女が、通りかかった人に「この子を少しのあいだ抱いていて」と頼みます。言われるままに抱くと、赤ん坊はどんどん重くなって手から離れません。そうして動けなくなったところへ、海から牛鬼がやってくる――夜の海辺のこわさを伝える言い伝えです。