No.028
子泣き爺
KONAKIJIJI

◆ でんしょう
徳島県の山あいに伝わる妖怪です。山の奥にいて、姿はおじいさんなのに、赤ん坊のような声で泣くといわれています。通りかかった人が気の毒に思って抱き上げると、急にずしりと重くなり、しがみついたまま離れなくなる――そんな話が残っています。
言い伝えに残っている姿は、ほんのわずかです。おじいさんの姿で、赤ん坊の声で泣く。その食いちがいだけが、はっきりと語られてきました。民俗学者の柳田國男が、各地の妖怪の名前を集めたなかに阿波(いまの徳島県)の山の話として書きとめたことで、その名が広く知られるようになりました。