No.051
天井嘗
TENJONAME


『百器徒然袋』より「天井嘗」
パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
◆ でんしょう
ひょろりと背の高い妖怪で、人のいない夜、古い屋敷の高い天井を長い舌でなめるといわれています。天井に残る黒っぽいしみは、天井嘗がなめていった跡だというのです。人に向かってくることはなく、気がつけば天井に跡だけが残っている。そんな静かな妖怪です。
天井嘗も、江戸時代の絵師・鳥山石燕が妖怪画集に描いたことで知られるようになりました。見上げるほどの背丈で、天井に向かって舌をのばす姿です。夜の座敷で、ろうそくの明かりが届かない天井の暗がりを見上げたとき、昔の人はそこに何かがいるような気がしたのかもしれません。