No.042
火車
KASHA


『画図百鬼夜行』より「火車」
パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
◆ でんしょう
葬式の行列や墓場に、にわかに黒い雲がわき、風や雷とともに何者かが棺から亡骸をさらっていく――そんな話が各地に残っています。そのしわざとされるのが火車です。姿ははっきり語られないことも多いのですが、年を経た猫が化けたもの、あるいは猫又がなるものだといわれることがよくあり、炎をまとった大きな猫のような姿で描かれてきました。
もとになったのは、仏教でいう「火車」。悪いおこないを重ねた人が亡くなるとき、地獄から迎えに来て罪人を乗せていく、燃えさかる車のことです。このおそろしい車のイメージと、亡骸に猫を近づけてはいけないという言い伝えとが重なって、亡骸をさらう妖怪の話になっていったと考えられています。棺の上に刃物を置いたり、お坊さんが法力で追い払ったりして、亡骸を守ったという話も伝わっています。