No.073
豆狸
MAMEDANUKI


『絵本百物語』より「豆狸」
パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
◆ でんしょう
兵庫や大阪など、西日本に伝わる小さな狸です。ふつうの狸よりずっと小柄ですが、化かす腕前はなかなかのもの。人に幻を見せては、からかって楽しむといわれています。小さな体で、人の家や蔵にこっそり住みつくという話も残っています。
よく知られているのが、「狸の八畳敷き」ということばにまつわる話。豆狸は自分の体の一部をふろしきのように大きく広げ、八畳ほどの座敷に見せてしまうのだとか。何も知らない旅人がそこでくつろいでいると、ふとしたはずみで座敷がくるりとひっくり返り、気がつけば野原にぽつんと座っていた――そんな笑い話も伝わります。いたずら好きでも、どこかひょうきんで憎めない狸です。