No.031
酒呑童子
SHUTEN-DOJI


『和漢百物語』より「酒呑童子」(国立国会図書館蔵)
パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
◆ でんしょう
大江山の奥に御殿をかまえ、たくさんの鬼を従えていたといわれる鬼の頭領です。名前のとおりの大酒飲みで、都から姫君や若者をさらっては、夜ごと酒盛りをしていたと語られます。右腕とされる茨木童子をはじめ、配下の鬼たちも名を知られています。ふだんは子どものような姿をしていて、正体をあらわすと見上げるほどの大鬼になる、という話も残っています。
生まれについても、いくつもの話が伝わっています。越後の寺に預けられた美しい稚児が、やがて鬼になったという話。近江の伊吹山にゆかりがあるとする話。どれが正しいというより、それぞれの土地が、この大鬼の始まりを語りついできたのでしょう。その物語は古くから絵巻や『御伽草子』、能にくり返し取りあげられ、日本でいちばん名高い鬼退治の話になりました。