No.053
清姫
KIYOHIME


『今昔百鬼拾遺』より「道成寺鐘」
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◆ でんしょう
熊野詣の旅の途中、ある家に宿を借りた若い僧・安珍に、その家の娘・清姫が恋をしました。安珍は「お参りの帰りにまた寄る」と言い残して旅立ちますが、帰りは別の道を選び、そのまま去ってしまいます。だまされたと知った清姫は後を追いかけ、日高川にさしかかったところで大蛇へと姿を変え、川を渡っていったといわれています。
安珍は道成寺に逃げこみ、寺の僧たちは下ろした釣鐘の中に彼をかくまいました。けれど大蛇はその鐘に巻きつき、炎を吐いて、鐘ごと焼いてしまった――と語られています。この話は古く『今昔物語集』などに、名もない女と僧の話として書きとめられ、のちに「安珍・清姫」の名で広く知られるようになりました。和歌山県の道成寺には、この物語を描いた絵巻が伝わっています。