No.021
提灯お化け
CHOCHIN-OBAKE


『百物語』より「お岩さん」
パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
◆ でんしょう
古くなった提灯が化けたといわれる妖怪。張った紙が横にぱっくりと裂けて大きな口になり、そこから長い舌をべろりと出します。裂け目の上には目が浮かび、軒先にぶら下がったまま、ぬっと顔を見せる――そんな姿で描かれてきました。
提灯は、電灯のなかった時代に夜道を照らしてくれた大切な灯りです。手に下げて歩けば足もとを照らし、家の軒に下げれば目じるしになる。そんな頼りになる道具が、ある晩とつぜん笑いだしたら……。人をひどく傷つけるような話はあまり残っていませんが、灯りが急に顔を持つ、それだけで夜の心細さはぐっと増したことでしょう。