No.056
八百比丘尼
YAOBIKUNI

◆ でんしょう
若狭(いまの福井県)に伝わる、長く生きた尼の伝説です。ある日、父親が持ち帰ったふしぎな肉を、娘が食べてしまいました。それは人魚の肉だったのです。それからというもの、娘はいつまでも若い娘の姿のまま、少しも歳をとらなくなったといわれています。
夫も家族も知り合いも、みな先に年老いて、この世を去っていきます。ひとり取り残された娘は尼になって諸国をめぐり、行く先々で椿などの木を植えたと伝えられています。そして八百歳になったころ、ふるさとの若狭へ戻り、小浜の洞窟に入って、そのまま出てこなかったのだとか。いまも各地に、八百比丘尼が植えたという木や、立ち寄ったという話が残っています。