No.019
ぬりかべ
NURIKABE


『化物之絵』より「ぬりかべ」(ブリガム・ヤング大学蔵)
パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
◆ でんしょう
福岡県の遠賀郡(おんがぐん)の海辺に伝わる妖怪です。夜道を歩いていると、行く手が急に壁のようになって、どこへも進めなくなる。土地の人はこれを「ぬりかべ」と呼んで、おそれてきたといわれています。
言い伝えのぬりかべには、決まった姿がほとんど語られていません。色も大きさも、顔があるのかどうかもわからない。ただ、そこから先へ通してもらえない――その体験だけが名前になって残った、目に見えない妖怪です。民俗学者の柳田國男が、各地の妖怪の名前を集めて書きとめたなかに入っていたことで、広く知られるようになりました。