No.068
雷獣
RAIJU


『絵本百物語』より「かみなり」
パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
◆ でんしょう
雷が落ちるとき、いっしょに天から落ちてくるといわれる獣の妖怪です。ふだんは雷雲の中にいて、激しい雷雨にのって地上へ降りてくるのだとか。江戸時代の随筆や瓦版には、イタチや猫、狸に似た姿で書きとめられ、するどい爪をもつ獣として描かれることが多かったようです。落ちてきた雷獣が木を引き裂いたり、あたりを駆けまわったりした、という話が残っています。
雷獣の話は、とくに雷の多い季節や、雷のよく鳴る土地で語られてきました。落ちてきたところを捕まえた、見世物として人々に見せた、という話もあります。その正体については、ハクビシンなどの実際にいる動物を、雷の夜に見かけて結びつけたのではないか、という説があります。空から轟く雷の大きな力に、昔の人は小さな獣の姿を重ねたのかもしれません。