No.075
分福茶釜
BUNBUKUCHAGAMA


『今昔百鬼拾遺』より「茂林寺釜」
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◆ でんしょう
群馬県館林の茂林寺に伝わる、ふしぎな茶釜の話です。寺に大勢の僧が集まる法会の日、守鶴(しゅかく)という僧がひとつの茶釜を用意しました。この茶釜は、いくら湯を汲んでも尽きることがなかったといわれています。守鶴は、この釜は福を分け与える釜だと語り、「分福茶釜」と呼ばれるようになったと伝わります。
ところが、長く寺に仕えた守鶴の正体は、年を経た狸だったというのです。うたた寝をしているところを見られて正体が知れ、守鶴は寺を去っていった、という話が残っています。いっぽう昔話の「分福茶釜」は、狸が茶釜そのものに化けて恩人を助ける、まったく別の筋の物語。同じ名前のもとに、ふたつの話が伝わっているのです。