No.048
鉄鼠
TESSO


『画図百鬼夜行』より「鉄鼠」
パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
◆ でんしょう
鉄のように固い歯をもつ、大きな鼠の妖怪です。もとは一人の僧の恨みだったといわれ、数えきれないほどの鼠を引きつれてお寺へ押しよせ、大切な経典や仏像をかじり荒らしたと語られています。お寺にとって、経典は何よりの宝。それを食い破る鼠は、僧たちにとってこれ以上ないほど厄介な相手だったのかもしれません。
もとになったのは、近江(いまの滋賀県)の三井寺の僧・頼豪の話です。天皇に頼まれて皇子の誕生を祈り、願いはかなったのに、約束のほうびは果たされませんでした。頼豪は深く恨んだまま世を去り、その念が鼠となって、ほうびを阻んだ比叡山の延暦寺に向かったといわれています。そのため「頼豪鼠」とも呼ばれ、江戸時代には鳥山石燕も「鉄鼠」の名でこの妖怪を描いています。