No.032
土蜘蛛
TSUCHIGUMO


『新形三十六怪撰』より「源頼光土蜘蛛ヲ切ル図」
パブリックドメイン(Wikimedia Commons)
◆ でんしょう
年を経た大きな蜘蛛が化けた妖怪。山の洞穴や古い塚に棲み、人の姿に化けて近づいては、白い糸を投げかけて相手をからめとるといわれています。じつは「土蜘蛛」という言葉は、もともと『日本書紀』や各地の『風土記』で、朝廷に従わなかった土地の人々を指す呼び名として使われていました。それがのちの時代になって、巨大な蜘蛛の妖怪の名として語られるようになったと考えられています。
いちばん有名なのは、平安時代の武将・源頼光の土蜘蛛退治です。病で床に伏せていた頼光のもとに怪しい法師が現れ、糸を投げかけてきます。頼光が枕元の刀で斬りつけると法師は姿を消し、血の跡をたどった先で、大きな蜘蛛が見つかったといいます。この話は絵巻や能、歌舞伎にもなり、土蜘蛛は「武士に退治される妖怪」の代表として知られるようになりました。